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「竹はバイオマス発電に不向き」を覆す、日立が燃料化技術を開発 (1/2)
日本国内に豊富に存在するものの、ボイラーで燃焼させると炉内に「クリンカ」という溶岩を生成してしまうなどの特性から、バイオマス発電の燃料には不向きとされている竹。日立はこうした竹の性質を、一般的なバイオマス燃料と同等の品質に改質する技術の開発に成功した。
[陰山遼将,スマートジャパン]
竹はカリウムを多量に含んでおり、灰の軟化温度が680~900度と低く、大型のボイラーで燃焼させると炉内に「クリンカ」という溶岩を生成する特性がある。さらに塩素濃度も高いため耐火物や伝熱管を腐食させやすい。そのため、一般にはバイオマス発電などの燃料としては不向きとされている。
竹は国内に豊富に存在するバイオマス資源であり、成長力が非常に強い。根が森林へ拡大するとそこに生育する樹木の成長を阻害してしまうため、放置竹林の拡大防止や、資源としての有効活用策の確立も課題となっている。燃料に適さないという課題を解決し、竹をバイオマス発電に活用できるようになれば、林業と発電事業者の双方にメリットが生まれる状況だ。
日立製作所(以下、日立)はこうしたニーズに応える技術の開発に成功した。竹類から「燃料に不向き」の原因であるカリウムと塩素を溶出させ、一般的な木質バイオマス燃料と同等の品質に改質できるという技術だ。林野庁の補助事業である「木質バイオマス加工・利用システム開発事業」として、福岡県八女市と北九州市の協力のもと、2年間にわたって開発を進めた成果だという。
日立は研究開発の中で、竹などの成長が早い植物の断面は多孔質繊維で構成されており、微粒化により内部開放を行えば、水溶性の無機物質であるカリウムが容易に溶出できるという知見を得た。この知見に基づき、竹を専用の粉砕機で粒径6mm(ミリメートル)以下まで微粒化し、水に浸すことでカリウムと塩素を溶出させ、脱水することでカリウム濃度と塩素濃度を低下させることに成功した。2kg(キログラム)の竹から、約1.1kgの燃料粉末を取り出すことができたという。
脱水後の粉末で作ったペレットを燃焼させたところ、灰の軟化温度は1100度以上に向上した。塩素濃度も人体に影響のないダイオキシン類レベルとされる木質バイオマスペレット燃料の規格レベルまで抑えることができた。さらにこの手法を、孟宗竹、真竹、淡竹、笹や雑草類、未利用の杉の皮にも適用したところ、同様の効果が得られることが分かったという。
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